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ABOUT US
日本で唯一、口腔顔面痛・口腔内科の専門治療に特化したクリニックです。
日本に6人しかいない、米国口腔顔面痛学会が認定した
専門医が治療にあたります。
他院で原因不明とされたその痛みの原因を突き止め、
やわらげるために全力を尽くします。
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エンパグリフロジンは口腔灼熱症候群の原因となり得るか―薬剤性の口腔灼熱症状を見逃さないための臨床的視点
はじめに 口や舌のヒリヒリ感、灼けるような痛みが続く「口腔灼熱症状」では、口腔灼熱症候群だけでなく、服用薬に関連した二次性の症状も鑑別する必要があります。 Opening Summary(導入・結論先出し) 口腔内に明らかな病変がないにもかかわらず、舌や口唇、歯肉、頬粘膜に持続的な灼熱感を訴える場合、口腔灼熱症候群(Burning Mouth Syndrome:BMS)が鑑別に挙がる。しかし、特発性BMSは除外診断であり、局所疾患、全身疾患、栄養障害、薬剤性要因を十分に検討する必要がある。 今回の症例報告では、エンパグリフロジン開始後に口腔灼熱症状が出現し、一般的なBMS治療では改善せず、同薬の中止後に症状が消失した80歳女性が報告された。単一症例であるため因果関係は確定できないものの、難治性の口腔灼熱症状では服薬開始時期を含む薬剤レビューが重要であることを示している。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 単一症例報告 対象 2型糖尿病、慢性腎臓病、心不全、高血圧、心房細動などの複数
Akihiro Ando
9月30日読了時間: 9分


ロピバカインは神経障害性疼痛の神経炎症を抑制できるのか?―TRAF2/PI3K/Akt/NF-κB経路からみた新たな可能性(Ropivacaine and Neuropathic Pain)
Opening Summary(導入・結論先出し) 神経障害性疼痛(Neuropathic Pain)は、異常な神経活動だけでなく、神経炎症(neuroinflammation)がその発症や慢性化に深く関与していることが明らかになりつつある。本研究では、局所麻酔薬であるロピバカインが単なる神経伝導遮断作用を超えて、神経炎症関連シグナルを抑制する可能性が検討された。 ラット神経障害性疼痛モデルにおいて、ロピバカインは疼痛行動を改善するとともに、ミクログリア活性化や炎症性サイトカイン発現を抑制した。さらにTRAF2/PI3K/Akt/NF-κBシグナル伝達経路の活性化抑制が確認され、神経炎症制御を介した鎮痛作用の可能性が示唆された。 本研究は前臨床段階の基礎研究であるものの、局所麻酔薬の新たな作用機序を理解する上で興味深い知見を提供している。 神経障害性疼痛の治療では、神経興奮性異常だけでなく神経炎症への介入も重要な研究テーマとなっている。本記事ではロピバカインが神経障害性疼痛において神経炎症を抑制する可能性について、最新の動物研究をもとに解
Akihiro Ando
9月23日読了時間: 8分


不可逆性歯髄炎に対する下顎孔伝達麻酔:NSAIDsなどの経口前投薬は麻酔成功率を高めるか(Inferior Alveolar Nerve Block)
はじめに 「歯髄炎で歯科麻酔が効きにくい」「下の奥歯の神経の治療で麻酔が十分に効かない」といった状況では、炎症性疼痛や疼痛感作が下顎孔伝達麻酔の成功率に影響している可能性があります。 Opening Summary(導入・結論先出し) 不可逆性歯髄炎では、通常の下顎孔伝達麻酔が十分に奏効しないことが少なくない。今回取り上げる研究は、下顎孔伝達麻酔の前に経口鎮痛薬や抗炎症薬を投与することで、麻酔成功率が改善するかを検討したシステマティックレビューおよびネットワークメタアナリシスである。結論として、経口前投薬は麻酔成功率を改善する可能性があり、とくにNSAIDsは最も信頼できるエビデンスに支えられている。一方で、デキサメタゾンは有望であるものの、現時点では研究数が限られており、慎重な解釈が必要である。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン ランダム化比較試験を対象としたシステマティックレビューおよびネットワークメタアナリシス 対象 不可逆性歯髄炎を有し、下顎孔伝達麻酔を受けた患者 介入/評価方
Akihiro Ando
9月16日読了時間: 9分


舌痛症では痛みを抑える機能が低下しているのか―中枢性・末梢性の違いと治療への示唆
はじめに 舌がヒリヒリする、焼けるように痛む、口の中に灼熱感があるにもかかわらず、歯科検査や口腔粘膜の診察で明らかな原因が見つからない場合、舌痛症が鑑別に挙がります。近年では、症状のある部位だけでなく、神経系が痛みを抑える機能の変化が関与する可能性も研究されています。 Opening Summary(導入・結論先出し) 舌痛症(Burning Mouth Syndrome:BMS)は、口腔内に明らかな器質的異常がないにもかかわらず、舌や口腔粘膜に灼熱痛が持続する慢性疼痛疾患である。 今回取り上げる研究では、舌痛症患者の内因性疼痛抑制機能を条件付き痛覚調節によって評価し、局所麻酔への反応が異なる患者群を比較している。 その結果、舌痛症患者の疼痛調節機能は一様ではなく、広範な中枢性疼痛抑制機能の低下を示す患者と、症状部位に比較的限局した異常を示す患者が存在する可能性が示された。 臨床上重要なのは、舌痛症という診断名だけで治療を一律に決めるのではなく、患者ごとに末梢性要因と中枢性要因の関与を評価する必要があるという点である。 Video Se
Akihiro Ando
9月9日読了時間: 12分


バーニングマウス症候群(Burning Mouth Syndrome)に対する局所アミトリプチリン療法:経口投与が困難な患者の新たな選択肢となるか?
はじめに バーニングマウス症候群(Burning Mouth Syndrome)は、舌や口腔粘膜にヒリヒリした灼熱感が続く慢性口腔痛疾患です。本記事では、近年注目されている局所アミトリプチリン洗口療法について、最新の研究結果と臨床的意義を解説します。 Opening Summary(導入・結論先出し) バーニングマウス症候群(Burning Mouth Syndrome: BMS)は、有効性が確立した治療法が限られる慢性口腔顔面痛疾患である。本研究は、三環系抗うつ薬アミトリプチリンを内服ではなく局所洗口剤として使用した際の有効性と安全性を検討した。約半数の患者で50%以上の疼痛軽減が認められ、副作用は少数かつ軽度であった。エビデンスレベルは高くないものの、内服アミトリプチリンの副作用が問題となる患者において、局所投与が有望な治療選択肢となる可能性を示唆する研究である。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 後ろ向き観察研究(Retrospective Real-World Evidenc
Akihiro Ando
8月26日読了時間: 6分


片頭痛(Migraine)治療とプラセボ効果:薬のラベルは痛みの改善度を変えるのか
はじめに 片頭痛治療では、薬の種類だけでなく、服薬タイミングや医師からの説明、患者が治療をどのように理解するかが、痛みの改善感に影響することがあります。 Opening Summary(導入・結論先出し) 本記事では、反復性片頭痛において、薬剤そのものの効果と、患者に提示される薬剤情報が治療結果にどのように影響するかを検討した研究を解説する。 結論として、リザトリプタンは全体としてプラセボより有効であったが、薬剤がどのように説明されるかによって、頭痛軽減の程度も変化していた。 特に注目すべき点は、プラセボであっても「片頭痛薬」と表示されると効果が高まり、実薬であっても「プラセボ」と表示されると効果が低く見える可能性が示されたことである。 これは片頭痛が心理的な病気であるという意味ではない。片頭痛という実在する神経疾患においても、薬理作用と治療文脈が相互に影響することを示した研究である。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 反復性片頭痛患者を対象とした、前向きの被験者内反復測定研究
Akihiro Ando
8月19日読了時間: 11分


歯髄炎で麻酔が効きにくい理由:ヒト歯髄・三叉神経節におけるNav1.9発現の臨床的意味
はじめに 歯髄炎、とくに強い自発痛や冷刺激後の遷延痛を伴う症候性歯髄炎では、局所麻酔が効きにくいことがあります。本記事では、ヒト歯髄と三叉神経節におけるNav1.9発現の研究をもとに、ホットトゥースの麻酔不奏効を末梢神経の過敏化という視点から整理します。 Opening Summary(導入・結論先出し) 症候性歯髄炎では、局所麻酔の手技が適切でも十分な麻酔効果が得られないことがある。本研究は、電位依存性ナトリウムチャネルであるNav1.9が、疼痛を伴うヒト歯髄と三叉神経節に発現しているかを検討した基礎研究である。結論として、Nav1.9免疫反応性は無症状歯髄よりも症候性歯髄で有意に増加していた。これは、炎症歯髄が単に痛いだけでなく、神経興奮性が変化した状態である可能性を示す重要な知見である。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン ヒト歯髄およびヒト三叉神経節を対象とした免疫細胞化学的研究である。 対象 ヒト歯髄33歯が対象であり、無症状歯16歯、疼痛を伴う症候性歯17歯が含まれた。さら
Akihiro Ando
8月5日読了時間: 9分


下顎智歯抜歯におけるCoronectomyは下歯槽神経損傷を減らせるのか? ― 長期予後と適応を含めた最新レビュー
はじめに 下顎智歯(親知らず)の抜歯では、歯根が下歯槽神経に近接している場合、術後のしびれや感覚異常が問題となることがある。特にCBCTで高リスク所見を認める症例では、神経温存を目的とした coronectomy(歯冠切除術)が選択肢となる。 Opening Summary(導入・結論先出し) 下顎智歯抜歯において、歯根が下歯槽神経管と近接している症例では、術後の知覚障害が最も重要な合併症の一つとなる。特に永続的な下口唇・オトガイ部のしびれは、患者のQOLに大きな影響を及ぼす可能性がある。 今回のレビューでは、歯冠のみを除去し歯根を意図的に残存させる「coronectomy(歯冠切除術)」について、神経保護効果、長期予後、再手術率、臨床的課題が包括的に検討された。その結果、適切に選択された高リスク症例では、歯冠切除術は下歯槽神経損傷リスクを大幅に低減する有効な選択肢である可能性が示された。 一方で、歯根移動や二次手術の必要性など、従来抜歯とは異なる長期管理上の特徴も存在するため、CBCTによる適応判断と標準化された術式が極めて重要である。
Akihiro Ando
7月22日読了時間: 6分


翼口蓋神経節ブロックは口腔顔面痛・頭痛に有効か:三叉神経痛、片頭痛、神経障害性疼痛への臨床的示唆(Sphenopalatine Ganglion Block)
はじめに 翼口蓋神経節ブロックは、歯科治療では説明しにくい顔面痛、三叉神経痛、神経障害性疼痛、片頭痛関連の頭痛などで検討されることがある処置です。ただし、すべての口腔顔面痛に有効な治療ではなく、診断を明確にしたうえで補助的に位置づけることが重要です。 Opening Summary(導入・結論先出し) 翼口蓋神経節ブロックは、三叉神経痛、三叉神経障害性疼痛、片頭痛、群発頭痛など、口腔顔面痛と頭痛の一部に対して検討されてきた処置である。 今回のレビューでは、症例報告・症例集積をもとに、翼口蓋神経節ブロックの適応、手技、効果、安全性が整理されている。 結論として、短期的な疼痛軽減が期待できる症例はあるが、現時点では高いエビデンスに基づく標準治療と断定する段階ではない。 臨床的には、通常治療で改善しにくい非歯原性口腔顔面痛や神経障害性疼痛において、診断を明確にしたうえで補助的に検討すべき治療選択肢である。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 口腔顔面痛および頭痛疾患に対する翼口蓋神経節
Akihiro Ando
7月15日読了時間: 9分


慢性疼痛に対する抗うつ薬治療:デュロキセチンは第一選択となり得るか(Chronic Pain)
はじめに 慢性疼痛に対する抗うつ薬は、うつ症状の治療だけでなく、神経障害性疼痛や口腔顔面痛に関わる疼痛調節系への作用を期待して使用されることがあります。本記事では、2023年のCochraneレビューをもとに、デュロキセチンを中心としたエビデンスと臨床上の注意点を整理します。 Opening Summary(導入・結論先出し) 慢性疼痛に対する抗うつ薬は、うつ症状の治療だけでなく、下行性疼痛抑制系への作用を期待して処方されることがある。 2023年のコクラン・ネットワークメタ解析では、慢性疼痛に用いられる複数の抗うつ薬の有効性と安全性が比較された。 結論として、最も確実性の高いエビデンスが示された薬剤はデュロキセチンであり、標準用量で小〜中等度の鎮痛効果が認められた。一方で、アミトリプチリンを含む多くの抗うつ薬については、慢性疼痛に対する有効性を強く支持する根拠は限定的である。 口腔顔面痛、非歯原性疼痛、神経障害性疼痛を診療するうえで、「抗うつ薬を一括りにしない」ことが臨床的に重要である。 Video Section 詳しい解説は以下の
Akihiro Ando
7月8日読了時間: 10分


末梢神経損傷にサプリメントは有効か:神経再生と神経障害性疼痛への臨床的意義(Peripheral Nerve Injury)
末梢神経損傷後のしびれ・異常感覚・神経障害性疼痛に対し、サプリメントは神経再生を助ける可能性があるのか。レビュー論文をもとに、動物実験での有望性と人での臨床的限界を整理します。
Akihiro Ando
6月26日読了時間: 9分


慢性頭頸部痛に対する笑い療法(Laughter Therapy):口腔顔面痛の補助療法として臨床応用できるか
はじめに 慢性頭頸部痛や口腔顔面痛では、顎関節症、頭痛、首や肩の痛み、ストレス反応などが重なり、標準治療に加えて、日常生活で継続できるセルフケアも重要になることがあります。 Opening Summary(導入・結論先出し) 慢性頭頸部痛は、口腔顔面痛、顎関節症、頭痛、頸肩部痛と重なりやすく、診断と治療が複雑になりやすい病態である。 今回取り上げる研究は、慢性頭頸部痛を有する成人に対して、iPadアプリを用いた「笑い療法」が疼痛スコアに与える影響を検討した単施設パイロット研究である。 結果として、4週間の介入期間中に複数の疼痛評価尺度で痛みの低下が認められた。 ただし、対照群のない単群研究であるため、「笑いそのものが痛みを改善した」と断定することはできない。 臨床的には、笑い療法は標準治療の代替ではなく、慢性口腔顔面痛患者のセルフマネジメントを支える低リスクな補助的介入として位置づけるべきである。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 単施設、4週間のパイロットコホート研究である
Akihiro Ando
6月24日読了時間: 8分


COVID-19後の慢性疼痛は末梢神経で起こるのか:SARS-CoV-2 Nタンパク質とNav1.7の臨床的意味
はじめに COVID-19後に口や顔の痛み、神経痛、灼熱感、原因不明の持続痛が続く場合、その背景には末梢神経の過敏化や神経障害性疼痛が関与している可能性があります。本記事では、SARS-CoV-2 Nタンパク質とNav1.7に関する基礎研究をもとに、COVID-19後の慢性疼痛を臨床的にどう理解するかを考えます。 Opening Summary(導入・結論先出し) COVID-19後に、頭痛、筋痛、神経痛、口腔顔面痛などの痛みが長期化する患者がいる。本研究は、SARS-CoV-2のNタンパク質が末梢感覚神経のNav1.7チャネルに作用し、病的疼痛を増悪・遷延させる可能性を検討した基礎研究である。結論として、Nタンパク質はNav1.7の発現量を増やすのではなく、チャネルの不活性化を遅らせることで神経興奮性を高める可能性が示された。これは、COVID-19後の持続痛や神経障害性疼痛を考えるうえで、末梢侵害受容器レベルの機序を示唆する重要な知見である。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン S
Akihiro Ando
6月22日読了時間: 8分


糖尿病性末梢神経障害性疼痛(Diabetic Peripheral Neuropathic Pain)に対する併用療法:単剤で不十分な場合に何を追加すべきか
はじめに 糖尿病性神経障害性疼痛では、アミトリプチリン、デュロキセチン、プレガバリンなどの薬剤を用いても、単剤だけでは十分な痛みの改善が得られないことがあります。本記事では、OPTION-DM試験をもとに、神経障害性疼痛に対する併用療法と段階的治療の考え方を解説します。 Opening Summary(導入・結論先出し) 本記事では、糖尿病性末梢神経障害性疼痛に対するアミトリプチリン、デュロキセチン、プレガバリンを用いた治療経路を比較したOPTION-DM試験を取り上げる。 結論として、3つの治療経路はいずれも同程度の疼痛軽減を示し、明確に優れた薬剤順序は認められなかった。 一方で、単剤治療で疼痛軽減が不十分な患者では、作用機序の異なる薬剤を追加することで、さらなる疼痛改善が得られる可能性が示された。 この知見は、糖尿病性神経障害性疼痛だけでなく、慢性神経障害性疼痛を扱う口腔顔面痛診療にも重要な臨床的示唆を与える。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 多施設共同、二重盲検、ラン
Akihiro Ando
6月17日読了時間: 9分


インプラント治療後の神経障害性疼痛:三叉神経ニューロパチー(Trigeminal Neuropathy)はどの程度起こるのか
はじめに インプラント治療後に下唇やあごのしびれ、感覚の鈍さ、触れるだけで痛むような症状が続く場合、通常の術後痛だけでなく、下歯槽神経損傷や三叉神経領域の神経障害性疼痛を考慮する必要があります。 Opening Summary(導入・結論先出し) インプラント埋入後の神経損傷は、発生頻度は高くないものの、発症した場合には患者の生活の質に大きな影響を与える合併症である。 今回取り上げる研究は、大学病院の口腔外科部門におけるインプラント治療後の神経障害性疼痛および感覚異常の有病率を検討した後ろ向きコホート研究である。 結論として、疼痛を伴う外傷後三叉神経ニューロパチーは約0.3%と稀であったが、疼痛を伴わない感覚異常を含めると三叉神経障害は約0.8%に認められた。 臨床的には、頻度が低いことを強調するだけでなく、下歯槽神経損傷の予防、早期発見、早期対応が重要である。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 後ろ向きコホート研究である。 対象 2004年2月から2014年9月までに、バ
Akihiro Ando
6月13日読了時間: 9分


糖尿病性末梢神経障害性疼痛(Diabetic Peripheral Neuropathic Pain):デュロキセチン、プレガバリン、ガバペンチンをどう選ぶか
はじめに 糖尿病に伴う足のしびれや焼けるような痛みは、糖尿病性末梢神経障害性疼痛として薬物療法の対象になることがありますが、薬の選択では鎮痛効果だけでなく副作用と継続しやすさが重要です。 Opening Summary(導入・結論先出し) 糖尿病性末梢神経障害性疼痛では、薬剤選択において「どの薬が最も効くか」だけでなく、副作用、継続性、併存疾患を含めた総合判断が重要である。 本稿では、デュロキセチン、プレガバリン、ガバペンチンをプラセボ対照試験に基づいて間接比較したメタアナリシスを取り上げる。 結論として、3剤はいずれもプラセボより有効であり、デュロキセチンはプレガバリンおよびガバペンチンと概ね同等の鎮痛効果を示した。 ただし、薬剤ごとに副作用プロファイルが異なるため、神経障害性疼痛の治療では患者ごとの個別化が不可欠である。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 糖尿病性末梢神経障害性疼痛に対する薬物療法を対象としたメタアナリシスである。直接比較試験が限られるため、プラセボを共通対
Akihiro Ando
6月10日読了時間: 9分


神経障害性疼痛(Neuropathic Pain)と下行性疼痛抑制:オザニモドは脳幹疼痛制御を回復するか
はじめに 神経障害性疼痛は、しびれを伴う痛み、焼けるような痛み、触れるだけで痛いアロディニアとして現れることがあり、その背景には末梢神経の損傷だけでなく、脳幹から脊髄へ向かう下行性疼痛抑制の低下が関与する可能性があります。 Opening Summary(導入・結論先出し) 神経障害性疼痛は、末梢神経や脊髄だけでなく、脳幹を介した下行性疼痛調節の破綻としても理解する必要がある。 本稿では、スフィンゴシン1リン酸受容体1を標的とするオザニモドが、神経障害性疼痛モデルにおいて痛覚過敏を改善し、吻側延髄腹内側部の下行性疼痛抑制系を回復する可能性を示した研究を取り上げる。 結論として、オザニモドは動物モデルで機械的アロディニアおよび冷アロディニアを改善し、その作用にはセロトニン作動性・ノルアドレナリン作動性の下行性抑制経路が関与する可能性がある。 ただし、本研究は前臨床研究であり、神経障害性疼痛患者への有効性が確立されたわけではない。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン...
Akihiro Ando
6月3日読了時間: 9分


根管治療後の根尖性歯周炎:治療後も病変が残る主因は何か
はじめに 根管治療後に根尖病変が治らない、噛むと痛い、歯ぐきから膿が出るといった症状が続く場合、根尖部根管系に残存した感染やバイオフィルムが関与している可能性があります。 Opening Summary 本記事では、根管治療後の根尖性歯周炎について、失敗症例の根尖部と付着病変を組織細菌学的・病理組織学的に検討した研究を取り上げる。結論として、治療後に根尖病変が残存・再発する主因は、多くの症例で根管内、特に根尖部根管系に残存する細菌感染であった。細菌は単独で浮遊しているだけでなく、バイオフィルムとして象牙質壁、根尖分岐、象牙細管内に認められることが多い。臨床的には、根尖性歯周炎の治癒不全を「原因不明」と捉える前に、根管内感染の残存、根管充填の質、根尖部解剖の複雑性を再評価する必要がある。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 根管治療後の根尖性歯周炎症例を対象とした、組織細菌学的および病理組織学的解析である。 対象 根管治療または再根管治療後に根尖性歯周炎を呈したヒト歯71例である。検体
Akihiro Ando
5月29日読了時間: 9分


インプラント手術後の外傷性三叉神経障害性疼痛:下歯槽神経損傷を早期に見抜く臨床的意義(Posttraumatic Trigeminal Neuropathic Pain)
はじめに インプラント後に下唇やあごのしびれ、灼熱痛、電撃痛、冷たい空気での痛みが続く場合、単なる術後の違和感ではなく、下歯槽神経損傷に伴う三叉神経障害性疼痛として評価が必要になることがあります。 Opening Summary(導入・結論先出し) 本記事では、歯科インプラント手術に関連して生じる外傷性三叉神経障害性疼痛について、臨床論文をもとに検討する。下顎インプラント埋入時の下歯槽神経損傷は、単なる知覚鈍麻にとどまらず、灼熱痛、電撃痛、接触痛、冷刺激痛を伴う慢性疼痛へ移行することがある。臨床上もっとも重要なのは、術後早期に神経障害性疼痛の兆候を認識し、必要に応じて専門医へ迅速に紹介することである。一度慢性化した場合、治療は薬物療法だけでなく、機能障害、心理的影響、生活の質を含めた包括的対応が必要となる。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 症例提示を含むナラティブレビューである。 対象 下顎インプラント手術後に下歯槽神経損傷を生じ、外傷性三叉神経障害性疼痛を呈した患者、および関連文
Akihiro Ando
5月24日読了時間: 8分


発作性片側頭痛(Paroxysmal Hemicrania)は歯痛として現れる ― 口腔顔面痛としての診断上の落とし穴
はじめに 発作性片側頭痛(Paroxysmal Hemicrania)は、歯痛や顎の痛みとして発症することがあり、原因不明の片側性歯痛や非歯原性歯痛の重要な鑑別疾患である。 Opening Summary(導入・結論先出し) 発作性片側頭痛(Paroxysmal Hemicrania: PH)は、三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)の一つであり、典型的には眼窩周囲や側頭部の激烈な片側性疼痛として知られている。しかし実臨床では、歯痛、歯肉痛、顎関節痛、耳痛など「歯科疾患らしく見える症状」として発症することがある。今回のケースシリーズでは、全例が口腔内痛を呈し、多くが根管治療や外科処置を受けた後にPHと診断されていた。特に、短時間反復性の片側性疼痛と同側自律神経症状の組み合わせは、歯原性疼痛だけでは説明できない重要な警告サインである。 Video Section 詳しい解説は以下の動画をご覧ください。 研究の概要 研究デザイン 後ろ向きケースシリーズ研究(retrospective chart review) 対象 2015〜2021年に米国ミネ
Akihiro Ando
5月20日読了時間: 6分
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